知的財産情報

ホーム > 知的財産情報 > 判例紹介

判例情報

最近の知財高裁の判決、材料関係の技術分野の判決の中から、明細書作成の際に参考になりそうなものを抽出したものです。
「簡潔に」をモットーにまとめましたので、詳細については、裁判所の判例検索システムで全文をご参照ください。
(弁理士 玉腰 紀子)

※事件名をクリックすると詳細をご覧頂けます。

掲載日 事件番号 判決言渡 事件名 キーワード 求めた裁判 ポイント
H29.11.22 平成28年(行ケ)第10274号 H29.10.11 フッ素置換オレフィンを含有する組成物事件 訂正審判,独立特許要件,一般式,熱媒体,HFO-1234yf 訂正不成立審消取消請求 引用刊行物の請求の範囲の一般式に該当する化合物からなる本件訂正発明の熱媒体について,引用刊行物には実施例と同等の効果が得られたことの記載があるから,当該熱媒体は引用刊行物から具体的に把握でき,両者は実質的に異ならないとされた。
H29.11.21 平成28年(行ケ)第10187号 H29.08.30 可逆熱変色性筆記具用水性インキ組成物事件 明確性要件,平均粒子径,代表径 無効審消取消請求 原告の出願と同技術分野の公開公報によれば,マイクロカプセル顔料の集合体は球形と言えない場合も含むから,代表径の定義の記載のない本願における「平均粒子径」の意義は不明確である,とされた。
H29.10.23 平成28年(行ケ)第10152号 H29.08.03 電荷制御剤事件 再現実験,新規性,明確性要件,電気伝導度 維持審消取消請求 明確性要件違反及び新規性欠如の基礎となる原告の再現実験は,本件特許明細書に記載された事項を再現したものではないなどとして,原告の主張が退けられた。
H29.10.17 平成28年(行ケ)第10173号 H29.08.01 静電容量式タッチパネル付き表示装置事件 動機付け,発明の認定,導電層,タッチパネル 維持審消取消請求 単一層の導電性電極によりタッチを検出する表面型静電容量式タッチパネルの発明である甲1発明の導電性電極の反対側に導電層を設ける動機付けはないから,「導電層」としての2層の検出電極を有する投影型静電容量式タッチパネルの発明である本件訂正発明5は,甲1発明に基づいて当業者が容易に想到できたものではない,とされた。
H29.09.14 平成28年(行ケ)第10038号 H29.07.26 ネマチック液晶組成物事件 実質的な相違点,2種の化合物の量の総和 無効審消取消請求 本願発明の化合物群は引用発明の化合物群とその一部が一致するに過ぎないから,引用発明の2つの化合物群から選択された成分の組み合わせが,本願発明の2つの化合物群から選択された成分の組み合わせと一致するとはいえず,また,たとえ一致したとしても,引用発明における2つの化合物群の成分の合計含有量を特定の範囲のものとすることは認識できない,とされた。
H29.09.11 平成28年(行ケ)第10157号 H29.07.19 酸味のマスキング方法事件 訂正要件,新規事項の追加 無効審消取消請求 請求項1及び2に係る訂正(訂正事項1、2)は,当業者によって本件明細書,特許請求の範囲又は図面の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において,新たな技術的事項を導入しないものといえるから,新規事項の追加に該当しない,として添加量の数値範囲の訂正が認められた。
H29.09.11 平成28年(行ケ)第10180号 H29.07.11 ランフラットタイヤ事件 進歩性,動機付け 維持審消取消請求 本件特許の原出願日当時において特性が検討された温度範囲よりも高い温度範囲に着目してランフラットタイヤの補強用ゴム組成物の特性を規定した本件特許発明は,当業者が容易に想到できたものではない,とされた。
H29.08.04 平成28年(行ケ)第10064号 H29.06.29 ポリビニルアルコール系重合体フィルム事件 サポート要件,黄変抑制の作用機序 維持審消取消請求 本件明細書の記載及び出願日当時の技術常識に照らしても,本件発明の課題である常温長期保管時の黄変の機序は不明であるから,ただ一種のノニオン界面活性剤を使用した実施例の結果に基づいて,ノニオン系界面活性剤であれば,その種類を問わず,本件発明の課題が解決できると認識することはできない,としてサポート要件に適合しないとされた。
H29.06.29 平成28年(行ケ)第10044号 H29.06.20 赤外線センサIC事件 周知技術の認定,動機付け,阻害要因 無効審消取消請求 引用発明にこれと課題の異なる周知技術を組合せた場合に生じる現象を考慮する必要があるため,当業者はあえてこのような組合せを採用しない,また,引用発明に周知技術を適用した場合,引用発明の作用が阻害されるから阻害要因がある,とされた。
H29.06.26 平成28年(行ケ)第10037号 H29.06.14 重合性化合物含有液晶組成物事件 新規性,組み合わせ,技術的意義 無効審消取消請求 引用文献の複数の成分の例示から,各々選択して組み合わせた発明について,複数の選択を併せて行った際に奏される効果から認定される技術的意義を具体的に検討すべきであるとして,本件特許の新規性を否定した審決が取り消された。
H29.06.20 平成28年(行ケ)第10205号 H29.06.14 加工飲食品事件 実施可能要件,測定方法 取消決定取消請求 特定のメッシュ篩を通過しない不溶性固形分の重量によって規定される本件発明において,明細書には,篩上にメッシュ目開きよりも細かい不溶性固形分が残存する場合,水洗を施すことの記載があるが,メッシュ目開きよりも細かい不溶性固形分の有無を判別する方法が開示されていないから,本件特許は実施可能要件及び明確性要件を充足しないとされた。
H29.06.20 平成28年(行ケ)第10147号 H29.06.08 トマト含有飲料事件 サポート要件 維持審消取消請求 発明の詳細な説明及び実施例には,本件発明において特定された三つの要素以外の成分及び物性が風味に影響を与えるかどうかの記載がないため,他の成分及び物性の特定は要しないことを,当業者が理解できるとはいえないから,本件特許はサポート要件に適合しないとされた。
H29.04.03 平成28年(受)第1242号 H29.03.24 マキサカルシトールを含む化合物の製造方法事件 均等論,第5要件,特段の事情 特許権侵害行為差止請求 均等の第5要件につき,特許請求の範囲の構成と異なる部分が容易想到というだけでは意識的除外にあたるとはいえず,客観的,外形的にみて,異なる部分が特許請求の範囲の構成を代替すると認識しながら,あえて特許請求の範囲に記載しなかった旨を表示していたといえるときに意識的除外などの特段の事情が存するものとされた。
H29.04.03 平成27年(行ケ)第10190号 H29.02.22 油または脂肪中の環境汚染物質の低減方法事件 進歩性,阻害要因,課題解決に不可欠な構成 無効審消取消請求 甲1発明1において,「リパーゼを用いた選択的エステル交換を行って脂肪酸エステルを含む油組成物を生成する」構成は課題解決のために不可欠であるから,これを,周知技術に代えることには阻害要因がある,とされた。
H29.04.03 平成27年(行ケ)第10201号 H29.01.31 容器詰飲料事件 サポート要件,実施例の結果 維持審消取消請求 比較例の色調変化は,イソクエルシトリン及びその糖付加物に加えて含まれるL-アスコルビン酸に起因する可能性がある以上,実施例の結果から,イソクエルシトリン及びその糖付加物の色調変化が抑制されていると認識できず,サポート要件に適合しないとされた。
H29.03.16 平成28年(行ケ)第10032号 H29.02.22 フッ素置換オレフィンを含む組成物事件 進歩性 無効審消取消請求 自動車の空調装置の特殊性から,GWP、能力及びCOP等の条件が必須であるとは認められないから,標準沸点及び臨界温度を根拠として,引用発明のフッ素置換オレフィンを自動車の空調設備用にすることは当業者に想到容易であるとした審決の判断に誤りはない,とされた。
H29.03.16 平成27年(行ケ)第10231号 H29.02.22 黒ショウガ成分含有組成物事件 サポート要件,実施例の被覆の量や程度 維持審消取消請求 本件明細書の実施例には,被覆の量や程度について具体的な記載がなされておらず,これらが不十分である場合に本件発明の課題を解決できることが示されているとはいえないから,サポート要件に適合しない,とされた。
H29.03.02 平成28年(ネ)第10003号 H29.01.18 透明不燃性シート事件 屈折率の測定方法 特許権侵害差止等請求 特許請求の範囲のガラス組成物の屈折率の測定方法については本件明細書には記載がないが,素材メーカーが一般に採用する合理的な屈折率の測定方法と認定し,当該方法での測定値が構成要件を充足しないことを理由に,対象製品は構成要件を充足しない,と判断された。
H29.03.02 平成28年(行ケ)第10087号 H29.01.17 物品の表面装飾構造事件 特許無効審判の審決取り消し訴訟の審理範囲 維持審消取消請求 特許無効審判の審決に対する取消訴訟においては,無効審判における副引用例を主引用例として本件特許発明の容易想到性を判断することは,被告らも認めており,紛争の一回的解決の観点からも,許される,とされた。
H29.02.22 平成28年(行ケ)第10005号 H29.01.18 眼科用清涼組成物事件 明確性要件,平均分子量 維持審消取消請求 公知文献及び公然知られた事実によれば,高分子の平均分子量は一般には「重量平均分子量」によって明記されていたものの,コンドロイチン硫酸ナトリウムに限っては平均分子量が粘度平均分子量を示す可能性が高いため,本件特許請求の範囲におけるその「平均分子量」が「重量平均分子量」か「粘度平均分子量」を意味するかが不明であり,「平均分子量」の記載は不明確である,とされた。
H28.12.22 平成28年(ネ)第10031号 H28.12.08 オキサリプラチン溶液組成物事件 緩衝剤,解離シュウ酸,添加シュウ酸,平衡,技術的範囲 特許権侵害差止請求控訴 平衡によってオキサリプラチン水溶液中で必然的に生じる解離シュウ酸は,本件発明の「緩衝剤」としての「シュウ酸」に含まれないから,控訴人製品は本件特許の技術的範囲に属さないとされた。
H28.12.19 平成27年(行ケ)第10150号 H28.12.06 炭酸飲料事件 進歩性,課題の周知性 維持審消取消請求 本件発明の課題は周知であるが,その可溶性固形分含量は周知であったとまではいえず,また,公知例には,可溶性固形分含有量を操作することで当該課題を解決することが記載又は示唆されないから,本件発明は容易に想到し得るものではないとされた。
H28.12.19 平成28年(行ケ)第10042号 H28.11.30 潤滑油組成物事件 サポート要件 拒絶審消取消請求 複数の潤滑油基油成分の混合された潤滑油基油全体の物性は少量の潤滑油基油成分の物性からの予測が困難であるという技術常識に照らすと,明細書には潤滑油基油成分の含有割合が請求項1の下限に近い場合に課題を解決できることの合理的な記載がないから,その上限に近い含有割合の実施例及び明細書の記載からは,当業者が請求項1に係る発明が課題を解決できると認識できない,とされた。
H28.12.19 平成27年(行ケ)第10206号 H28.11.16 エアバッグ用基布事件 進歩性,発明特定要素間の相関関係,必然的連動論 維持審消取消請求 引用発明1の負荷後動的通気度を本件発明1における数値範囲内にしても,これに関係する他の発明特定要素が本件発明1の技術的意義に基づいて設けられた数値範囲内にとどまるといえないから,本件発明1の構成は容易に想到し得ないとされた。
H28.10.28 平成27年(行ケ)第10177号 H28.10.12 アモルファス酸化物薄膜の気相成膜方法事件 進歩性,困難性,半導体活性層,キャリヤ濃度 維持審消取消請求 アモルファス本件組成の薄膜形性において,引用例には,酸素量の変化とキャリヤ濃度の低下の関係や導電率を変化させた膜が半導体活性層として機能するかの開示がないから,本件発明のキャリヤ濃度で,薄膜トランジスタの半導体活性層に用いることには困難性がある,とされた。
H28.10.28 平成27年(行ケ)第10210号 H28.09.29 内燃機関用燃料事件 進歩性,特段の困難,臨界的意義 拒絶審消取消請求 刊行物1には,効果的とされる最少濃度の1w/v%がよりも少量とした場合について,効果を妨げるような事情を示す記載がないことも考慮すると,引用発明の添加量を,相違点に係る本願発明の添加量まで低下させることに特段の困難はない,とされた。
H28.10.20 平成28(ネ)10056号 H28.10.05 強磁性材スパッタリングターゲット事件 直径の定義 特許権侵害差止請求控訴 明細書には相(B)の「直径」の定義がなく,いかなる場合に「直径」が「30~150μm」であるのかは,不明といわざるを得ないから,被控訴人製品は上記構成要件を充足しないとされた。
H28.10.20 平成27年(行ケ)第10184号 H28.09.29 ローソク事件 明確性要件,PBPクレーム,物の構造又は特性 維持審消取消請求 物の発明に係る特許請求の範囲の製造方法の記載が物の構造又は特性を明確に表しているときは,当該発明の内容を明確に理解することができるから,不可能・非実際的事情の主張立証を要しない,とされた。
H28.10.11 平成28年(行ケ)第10041号 H28.09.28 潤滑油組成物事件 実施可能要件,パラメーター,過度の試行錯誤 拒絶審消取消請求 本願発明のポリ(メタ)アクリレート系粘度指数向上剤について,明細書に化学構造や製造方法の記載がなく,当業者が本願発明の化学シフトのパラメーターで特定された粘度指数向上剤を入手するのに過度の試行錯誤を要するから,本願明細書は,実施可能要件を満たさない,とされた。
H28.10.11 平成27年(行ケ)第10253号 H28.09.28 水障壁封止方法事件 進歩性,請求項の記載,発明の認定 拒絶審消取消請求 請求項の記載を基礎として認定した引用発明及び本願発明に基づいて,審決がした相違点に関する判断に誤りはない,とされた。
H28.09.30 平成27年(行ケ)第10244号 H28.09.21 離型フィルム事件 進歩性,選択,組合せ,技術的意義 維持審消取消請求 引用発明1C,引用例2及び引用例3には,本件発明1の技術的意義が開示されていないから,引用発明1Cに開示された多数の樹脂の中から,本件発明1の樹脂を選択して組合せ,MMA含量を特定する動機付けはないとされた。
H28.09.30 平成27年(行ケ)第10242号 H28.09.20 二重瞼形成用テープ事件 リパーゼ判決,経時的記載,プロダクト・バイ・プロセスクレーム,明確性 維持審消取消請求 形式的に見ると経時的であることから物の製造方法の記載があるといい得るとしても,当該製造方法による物の構造又は特性等が明細書の記載及び技術常識を加えて判断すれば一義的に明らかである場合は,法36条6項2号との関係で問題とすべきプロダクト・バイ・プロセス・クレームと見る必要はない。
H28.09.07 平成27年(行ケ)第10216号 H28.08.29 放射能で汚染された表面の除染方法事件 訂正,誤訳,実質上特許請求の範囲を変更,燐酸,ホスホン酸 訂正不成立審消取消請求 本件公報に接した当業者は,請求項1の「燐酸」という記載が「ホスホン酸」の誤訳である可能性があることを認識するが,「燐酸」という記載を「ホスホン酸」の趣旨に理解することが当然であるということはできない,とされた。
H28.09.07 平成26年(ワ)第8905号 H28.06.15 窒化ガリウム系化合物半導体発光素子事件 「一つの層」の観念,進歩性,設計的事項 特許権侵害差止等請求 n-層ではなくn+層に負電極用の露出表面が形成された窒化ガリウム系化合物半導体素子のn型層を開示する乙7~12号証をもって,n+層ではなくn-層に電極形成用の露出表面を形成することが設計的事項であるとはいえない,とされた。
H28.08.18 平成27年(行ケ)第10099号 H28.07.19 白色ポリエステルフィルム事件 物性で特定した発明,サポート要件,進歩性,数値限定,課題の相違 維持審消取消請求 物性で特定した発明については,当該物性を満たすものとすることによって発明の課題が解決されることが理解できるように記載されていれば,サポート要件としては足りる,また,主引用例と異なる課題によって採用された副引用例の数値限定を主引用例に適用する動機付けはない,とされた。
H28.06.27 平成26年(ネ)第10080号等 H28.03.30 スピネル型マンガン酸リチウムの製造方法事件 進歩性,発明の課題,周知の課題 特許権侵害行為差止等請求控訴 本件発明1が,周知課題以外に,それとは別の課題をも有することは,当該周知課題に基づいた容易想到性の存否を左右するものではない,とされた。
H28.06.24 平成25年(ワ)第30799号 H28.04.27 強磁性材スパッタリングターゲット事件 構成要件充足性,測定箇所,測定方法 特許権侵害差止請求 被告製品(ターゲット)の断面で観察される「円形」の相が,「球形」である場合の「直径」を求めることはできず,さらに,当該「円形」の相が「球形の相」であるとしても,一つの測定箇所の測定値によって,「球形の相」全体として「Coを90wt%以上含有する」ことが合理的に推認されるとはいえない,とされた。
H28.06.24 平成27年(ネ)第10125号 H28.04.13 非磁性材粒子分散型強磁性材スパッタリングターゲット事件 禁反言,構成要件充足性,不可避不純物 特許権侵害差止請求控訴 本件発明における「全粒子」に該当しない不可避的な粗大粒子は本件発明では許容されないから,粗大粒子を含む各控訴人製品は,本件発明の技術的範囲に属さない,とされた。
H28.05.09 平成27年(行ケ)第10170号 H28.04.26 水中切断用アブレシブ切断装置事件 訂正要件,新規事項の追加,上位概念 維持審消取消請求 明細書等に上位概念に基づく形態の記載があれば,実際に記載された実施形態以外の形態にする訂正は新規事項の追加にならないとされた。
H28.05.09 平成27年(行ケ)第10127号 H28.03.23 レーザー加工装置事件 進歩性,動機付け,相違点の認定 無効審消取消請求 引用例及び周知例には,少ない流量の気体でレーザビーム反射部材が弾性変形をするのに要する気体圧力をかけるために「流体排出経路」を,「流体供給経路」よりも狭くすることの動機づけがないとされた。
H28.05.09 平成27年(行ケ)第10129号 H28.03.16 パーティクル濃度測定装置事件 進歩性,設計事項 拒絶審消取消請求 本件補正発明と引用発明は,パーティクル濃度の測定対象とする気流の方向の点で異なるとして,審決が実質的な相違点を看過したとされた。
H28.04.28 平成25年(ワ)第19912号 H28.02.19 加圧加振試験機事件 進歩性,出願審査請求 損害賠償請求 本件発明1,2について審査請求期間内に出願審査請求がされていれば特許権の設定登録を受けることができた高度の蓋然性があったから,本件各出願について審査請求を行わなかった被告の債務不履行と損害の発生との間の因果関係が認められる,とされた。
H28.04.19 平成27年(行ケ)第10115号 H28.02.24 光源モジュール及び表示装事件 補正の目的要件,進歩性,独立特許要件,周知技術,拡散剤 拒絶審消取消請求 ホルダ片が光変換素子の嵌合凹部11aに内嵌固定されるということが発明の課題であることを示す記載は存在せず,ケース部の形状やホルダ片の固着態様に格別の意義があるとは認められないから,光方変換素子の「光方向変換部」以外の形状を限定したからといって,新たな課題を追加したものとはいえないとして、補正の目的要件を満たすものとされた。
H28.04.01 平成26年(行ケ)第10202号 H28.01.17 フルオレン誘導体の結晶多形体事件 サポート要件,実施可能要件,進歩性,公然実施 維持審決取消請求 当業者が本件発明の課題を解決すると認識できるのは,実施例に記載された,BPEFの析出に用いる溶媒として,トルエン,キシレンなどの炭化水素溶媒を用い析出開始温度として,65℃以上とした場合である,として,「芳香族炭化水素溶媒,ケトン溶媒およびエステル溶媒からなる群から選ばれる少なくとも1つの溶媒に溶解させた後に50℃以上でBPEFの析出を開始させる」構成を含む特許発明は,サポート要件に適合しないものとした。
H28.03.31 平成25年(ワ)第3360号 H27.09.29 非磁性材粒子分散型強磁性材スパッタリングターゲット事件 構成要件の充足性,禁反言 特許権侵害差止請求 構成要件1-Bの「前記材料の研磨面」は,焼結体スパッタリングターゲットの材料の2回目以降の研磨後の面も含むから,2回目の研磨後の研磨面に少なくとも4か所の粗大粒子が存在する被告製品1は,構成要件1-Bを充足属しない,とされた。
H28.03.31 平成27年(行ケ)第10081号 H28.02.24 ピタバスタチンカルシウム塩の結晶事件 進歩性,引用発明の認定,結晶の同一性 無効審消取消請求 甲3結晶及び甲5結晶は,引用発明1に基づいて当業者が容易になし得たものであるが,甲3結晶及び甲5結晶が本件発明1と同一の粉末X線回折の回折角(2θ)を有するとした点において誤りがあるとして,審決が取り消された。
H28.03.24 平成27年(行ケ)第10015号 H28.03.10 窒化ガリウム系化合物半導体チップの製造方法事件 進歩性,阻害要因,相違点の技術的意義 維持審消取消請求 甲1発明のダイシングによって形成された切り込みによって,サファイア基板及び電極のうちの一部分を切断し,残りの部分を外力を加えて引き裂くことには阻害要因がある,とされた。
H28.03.24 平成27年(行ケ)第10105号 H28.03.09 オキサリプラティヌムの医薬的に安定な製剤事件 明確性要件,サポート要件,「からなる」の意義 維持審消取消請求 添加剤が含有され得ることが周知の医薬液体製剤では,「からなる」の語は,単に「Aを含む」ものと解されるから,明確性要件を満たし,課題を解決できないことが技術常識である添加剤は当業者が選択しないだけであるから,サポート要件も満たす,とされた。
H28.03.24 平成27年(ネ)第10080号 H28.02.24 ピタバスタチンカルシウム塩の結晶事件 構成要件充足性,均等,禁反言,発明の特定,回折角 特許権侵害差止等請求 本件特許権者が出願経過において提出した意見書等には,回折角の数値に一定の誤差が許容されることや,15本のうち一部のピークの対比によって発明が特定されることの示唆はなく,被控訴人製品の回折角の数値は,15本のうち14本で数値が相違しているから,被控訴人製品は,構成要件C・C’を充足しない,とされた。
H28.03.17 平成25年(ワ)第3357号 H27.12.25 非磁性材粒子分散型強磁性材スパッタリングターゲット事件 サポート要件,訂正の対抗主張,漏洩磁束,球形の合金相 特許権侵害差止請求 本件特許の明細書及び実施例には,「球形の合金相(B)」の中心部のCr濃度の高い領域の存在が漏洩磁束を高めることの記載があるだけで,「球形の合金相(B)」を含有させることで本件各発明の課題解決手段や,発明を理解するための技術的事項が,記載されているものとはいえない,とされた。
H28.03.17 平成27年(行ケ)第10080号 H28.03.10 斜面保護方法事件 補正要件,明確性,実施可能要件,動機付け 維持審決取消請求 公知文献には,金網を法面に固定することにより,金網を法面に固定するとの設置態様が示されてはいるが,金網の種類,材質,性能等の記載がないことから,金網の鉄線の引っ張り強度,鉄線の種類を選択することについて動機付けがない,とされた。
H28.03.07 平成26年(ワ)第29478号 H27.12.17 ソルダペースト組成物事件 進歩性,転用,無鉛系はんだ 損害賠償請求 結果的に鉛入りはんだに採用されていた構成を無鉛系はんだに転用することができなかったとしても,鉛入りはんだの無鉛系はんだへの置換の試み自体が妨げられることにはならない,とされた。
H28.03.03 平成26年(行ケ)第10272号 H28.02.17 自己乳化性の活性物質配合物およびこの配合物の使用事件 進歩性,当然の課題,周知技術 拒絶審消取消請求 解決課題及び成分において本願発明と共通する引用発明(固体分散製剤)を,自己乳化性剤とすることについて記載も示唆もないから,当該相違点に係る構成は,容易に想到できる事項とはいえないとされた。
H28.02.25 平成27年(行ケ)第10070号 H28.02.03 発光装置事件 進歩性,相違点の認定・判断,最適材料の選択 拒絶審消取消請求 引用発明1の緑色放出蛍光体として、引用発明2で好適であるとされるβサイアロンを選択することは、公知材料からの単なる最適材料の選択に過ぎない、とされた。
H28.02.04 平成27年(行ケ)第10116号 H27.12.24 窒化物系半導体素子の製造方法事件 進歩性,技術常識や周知技術の適用 維持審消取消請求 引用発明のコンタクト抵抗の低減を,技術常識や周知の技術にしたがって,転移の除去によるものと理解し,その原因となる加工変質層をエッチング処理で除去することは,当業者にとって格別の相違を要するとはいえない,とされた。
H28.01.08 平成26年(行ケ)第10254号 H27.11.26 青果物用包装袋事件 進歩性,動機付け 維持審消取消請求 各引用文献には,包装袋に設けるスリットの合計長を包装する青果物量に応じて好適化するという技術的思想について記載も示唆もないから,本願発明1を想到する動機付けがないとされた。
H28.01.08 平成27年(行ケ)第10119号 H27.12.08 渋味のマスキング方法事件 明確性要件違反,前件判決の拘束力 無効審消取消請求 本件訂正前後の本件発明の内容は実質的に同一であるから,本件発明における「甘味を呈さない量」が,スクラロースの使用量との関係でどの範囲の量を意味するのか不明確である,とした前件判決の拘束力が及ぶとされた。
H28.01.08 平成27年(行ケ)第10042号 H27.12.10 可撓性骨複合材事件 進歩性,動機付け,発明の認定 拒絶審決取消請求 粒子全体として基材シートの表面から露出する粒子の密集度や露出粒子が占める割合を容易に変えられるとの引用例の記載では,個々のカルシウム系化合物粒子が基材シートから露出する程度を変える動機付けにはならないとされた。
H28.01.08 平成26年(行ケ)第10257号 H27.12.09 マイクロ波照射による衣服のしわ除去事件 新規性,「刊行物に記載された発明」の認定 拒絶審決取消請求 当業者にとって自明な事項であり,そのことを当然の前提としていると引用文献自体から理解することができる場合については,引用文献にその具体的な物の記載が省略されていても,その記載があるものと同視することができるとされた。
H27.12.22 平成26年(行ケ)第10248号 H27.11.25 質量分析器事件 進歩性,発明の目的の共通性,イオンビーム 無効審決取消請求 本件発明1と甲1発明の目的は共通しないが,液体金属イオン源を用い,二次イオンを検出して質量分析を行う甲1発明において,二次イオン生成量の多い一次イオンビームを選択することは,当業者が容易に想到できたことであるとされた。
H27.11.27 平成26年(行ケ)第10176号 H27.10.08 高透明性非金属カソード事件 サポート要件,燐光放射線 無効審決取消請求 燐光発光を示す金属錯体において,金属イオンを別のものに変えても,同様な燐光発光特性を有するとの技術常識は確立されていなかったのであるから,燐光材料の構造を特定しない本件発明は,明細書に記載された範囲を超えているとされた。
H27.11.20 平成26年(行ケ)第10213号 H27.09.24 検査用プローブの製造方法事件 特許請求の範囲の減縮,補正却下,発明特定事項の変更,溶接,進歩性 拒絶審決取消請求 「線材に与えられるエネルギ量」は線材の反射率(あるいは吸収率)や熱伝導率によって変化するから,「レーザ光により線材に与えられるエネルギ量」を,「照射されるレーザ光のエネルギ量」とする本件補正1は発明特定事項を変更する補正であるとされた。
H27.11.06 平成27年(ワ)第1025号 H27.10.29 pHを調整した低エキス分のビールテイスト飲料事件 進歩性,ノンアルコールのビールテイスト飲料,エキス分,飲み応え 特許権侵害差止請求 本件発明の出願前に原告が販売したビールテイスト飲料において,飲み応えの向上を目的として,そのエキス分の総量を本件発明の量とすることに困難性はないから,本件特許は無効理由を有するとされた。
H27.10.23 平成26年(行ケ)第10026号 H27.09.24 燃料電池用石油系燃料改質器用フェライト系ステンレス鋼事件 進歩性,動機付け,用途限定 維持審決取消請求事件 自動車エンジンのマニホールドに好適とされる引用発明1-1のフェライト系ステンレス鋼は,本件発明1の高温水蒸気耐酸化性,耐熱疲労特性,高温強度を備えるとは認められず,これを燃料電池用石油系燃料改質器に用いることについての動機付けがないとされた。
H27.10.19 平成26年(ワ)第688号 H27.07.31 ピタバスタチンカルシウム塩の結晶事件 追試,技術常識に従った条件の選択 特許権侵害差止等請求 被告らが行った乙3発明の追試において,結晶化の過程における塩化カルシウム水溶液の滴下時間を変更した際にも同一とみられる結晶が得られたこと,水分量は基礎的な検討事項であることから,当該追試は適切であり,この結果により本件結晶発明1は乙3公報に記載されているとされた。
H27.10.19 平成26年(ワ)第7548号 H27.08.25 汚染防止剤組成物 新規性,「ダスクリーン」の用途,作用の相違 特許権侵害差止等請求 原告の製品(ダスクリーン上質1号,そのMSDS(乙11))及び乙2発明のいずれも,抄紙工程のドライパートにおけるピッチ汚染防止剤とは認められず,本件発明1は,これらのいずれとも同一ではないとされた。
H27.10.15 平成26年(行ケ)第10182号 H27.08.20 日中活動量の低下および/又はうつ症状の改善作用を有する組成物事件 進歩性,動機付け,引用発明の認定 拒絶審決取消請求 引用例1で改善の示された精神分裂病と本件補正発明が改善するうつ病は原因や治療法がそれぞれ異なる別の疾患であること,記憶・学習能力の低下を改善する薬が,うつ病をも改善するとの効果を有するとの技術常識の不存在などを理由に,引用例2に記載された多数の症状・疾患の中から,特に「うつ病」を選択して,「うつ症状」が改善されるかを確認しようとする動機付けがあるということはできないとして、拒絶審決が取り消された。
H27.10.02 平成26年 (行ケ)第10157号 H27.09.16 表面実装型半導体装置事件 設計事項,動機付け,発明の技術的意義 無効審決取消請求事件 樹脂成形体について「トランスファ成形」を採用した結果,バリ抑制という課題が生じたことについて本件明細書に記載はなく,甲3-1発明には,熱硬化性樹脂に酸化チタンの白色粉末を配合して第2の樹脂成型体を形成すること,及び訂正発明1における半導体発光素子の配置のそれぞれを採用する動機付けがあるとされた。
H27.10.02 平成26年(行ケ)第10203号 H27.05.14 ハイブリッド混合プラナーヘテロ接合を用いた高効率有機光電池事件 最適化条件の決定.効果の顕著性 拒絶審決取消請求 本願発明の光活性層の層厚は最適化条件の決定にすぎない上,本願発明は小分子有機アクセプター材料と小分子有機ドナー材料の具体的な形成材料の限定がないから,実施例と同等の効果を奏することの裏付けがないとして,本願発明の効果の顕著性は認められないとされた。
H27.09.24 平成26年(行ケ)第10047号 H27.07.16 炭化珪素質複合体事件 明確性要件,穴間方向 維持審決取消請求 本件訂正発明1の作用効果を奏するために定義されることを要する「穴間方向」について,明細書の記載からは例示された方向以外にどのような方向が含まれるのか判然としないなどとして,その意義は不明確であるとされた。
H27.09.24 平成26年(行ケ)第10238号 H27.08.05 活性発泡体事件 実施可能要件、技術上の意義 拒絶審決取消請求事件 明細書に記載された試験結果のみから,本願発明に係る活性発泡体を,「・・・人体に直接又は間接的に接触させて用いる(請求項1)」ことに,技術上の意義があるか疑問があるが,かかる技術上の意義があることが裏付けられたということのできる余地もあるとして審決が取り消された。
H27.09.16 平成26年(行ケ)第10145号 H27.03.25 ローソク事件 誤記の訂正 維持審決取消請求 出願審査の過程で行った,明細書の記載の補正を元の記載に戻す訂正は,当該補正自体に誤りがあるとは認められないから,誤記の訂正には当たらないとして,当該訂正を認めた審決が取り消された。
H27.09.14 平成26年(行ケ)第10201号 H27.09.03 熱間プレス用めっき鋼板事件 特許請求の範囲の減縮,新規事項の追加,訂正要件 維持審決取消請求事件 同等の技術的意義を有する発明として記載された「亜鉛または亜鉛系合金のめっき層」のうち,どのような組成を選択して特許請求の範囲として訂正するかは,特許権者が自由に決定できる事項であるから,当該訂正は特許請求の範囲の減縮に当たるとされた。
H27.09.10 平成26年(行ケ)第10235号 H27.08.26 洗浄剤組成物事件 一事不再理効,容易想到性の判断における具体的な論理構成 請求却下審決取消請求 特許発明と対比する主引用発明が異なれば,無効理由も異なることは当然であるとして,一事不再理効を理由に審判の請求を却下した審決が取り消された。
H27.08.14 平成26年(行ケ)第10262号 H27.07.15 有精卵の検査法および装置事件 審判請求書の却下,請求の理由,独自の見解ないし法解釈 補正却下決定取消請求 請求人が主張する無効理由が,法定された無効原因についての独自の見解ないし法解釈に基づくものであったり,無効原因が一事不再理違反に当たる場合であっても,このことのみをもって法131条2項の記載要件を欠くということはできないとされた。
H27.08.14 平成26年(行ケ)第10158号 H27.07.16 可食用酸及び/又はその酸性塩を含む薬剤組成物事件 手続補正書の様式,「提出物件の目録」の欄 拒絶審決取消請求 拒絶査定不服審判の請求書に提出物件として添付された2件の「手続補正書」について,本件書面1は,「提出日」の記載が不明りょうであるものの様式に従っており,また,審判請求書の「立証の趣旨」の記載と整合していることなどから,特許法17条の2第1項4号に基づく補正に係る手続補正書に該当するとされた。
H27.07.31 平成24年(行コ)第10004号,同第10005号 H27.06.10 1-[(6,7-置換-アルコキシキノキサリニル)アミノカルボニル]-4-(ヘテロ)アリールピペラジン誘導体事件 「査定」の用法,特許査定の取消しの訴え,錯誤,真意と異なる補正 行政処分取消義務付け等請求控訴 特許法195条の4の規定により,特許査定に対して行服法による不服申立てをすることは認められないなどとされた。
H27.07.31 平成26年(行ケ)第10186号 H27.06.25 エラストマー糸を含有する弾性生地の丸編 進歩性,技術的意義,スパンデックス,延伸率 拒絶審決取消請求 糸のスパンデックスと延伸率という2つのパラメータは相互に関連するものとして容易想到性を判断すべきであるが,本願発明の糸のスパンデックスと延伸率には,格別,技術的な意義はないとされた。
H27.07.14 平成24(受)1204号 H27.06.05 プラバスタチンナトリウム事件 プロダクト・バイ・プロセスクレーム,明確性 特許権侵害差止請求 プロダクト・バイ・プロセス・クレームで記載された請求項を含む特許請求の範囲の記載が明確性要件に適合するといえるのは,出願時において当該物をその構造又は特性により直接特定することが不可能であるか,又はおよそ実際的でないという事情が存在するときに限られると解するのが相当であるとされた。
H27.07.13 H26年(行ケ)第10204号 H27.03.11 経皮吸収製剤事件 除くクレーム,訂正,明確性 維持審決取消請求事件 「経皮吸収製剤」という物の発明に対し,経皮吸収製剤の使用態様に係る部分を除く訂正後の発明は,経皮吸収製剤自体を特定するものとはいえないから,その内容が技術的に明確であるとはいえず,特許請求の範囲の減縮を目的とするものとは認められないとされた。
H27.06.30 平成26年(行ケ)第10205号 H27.04.28 温度センサ事件 進歩性, 引用発明の認定, 白金,ストロンチウム 拒絶審決取消請求 引用発明2の「センサ材料等」は,センシング部位に限られず,温度センサの他の部位の構成材料をも含むと解されるから,これを引用発明1に適用して,本願補正前発明を容易に想到し得るとされた。
H27.06.24 平成26年(行ケ)10225号 H27.06.09 熱間圧延用複合ロール事件 技術常識,特許請求の範囲の記載,ハイスロール 維持審決請求事件 特許請求の範囲には,「粗圧延」を特定する限定は見当たらず,粗圧延全般に用いることを目的とするものと認められ,容易に想到できないとはいえないとされた。
H27.05.25 平成25年(行ケ)第10140号 H27.03.26 燐光性錯体を含む有機発光デバイスの発光層用組成物事件 容易想到,周知技術 特許維持審決取消請求 甲4には,強力な「fluorescence」を示すことが記載されているものの,具体的なフォトルミネセンス効率及び発光寿命については何らの記載もないから,甲4記載のL2MXを,甲1発明のELデバイスの発光層として用いる燐光発光有機金属化合物に採用する動機付けがないとされた。
H27.05.22 平成25年(行ケ)第10250号 H27.04.28 ポリイミドフィルム事件 実施可能要件,サポート要件,ポリイミドフィルム,熱膨張係数 特許維持審決取消請求 本件発明における2成分系ポリイミドフィルムのうち,ODA/BPDAについては,その熱膨張係数を本件発明の値にすることを当業者が実施可能であったとはいえないとして,本件発明は実施可能要件およびサポート要件を充足しないとされた。
H27.05.18 平成26年(行ケ)第10082号 H27.03.10 ミクロ顔料混合物事件 補正却下,進歩性,構成上の実質的な相違点,二酸化チタン 拒絶審決取消請求  二酸化チタンの金属セッケンによる被覆の目的いかんによって発明の構成が変化するわけではないから,補正前発明と引用発明に構成上の実質的な相違点はないとして,拒絶審決が維持された。
H27.05.18 平成26年(行ケ)第10111号 H27.03.25 表面に放射性汚染物が付着した野菜の洗浄方法事件 進歩性,容易想到,周知技術 拒絶審決取消請求 人体への安全性,洗浄力の点から,殺菌水に代えて本願の出願当時公知であった還元水を選択することは容易想到であり,また,本願発明のマイクロバブル水と引用発明の炭酸水の差異について,当該炭酸水の生成方法等を考慮すれば,両者の差異に格別な技術的意義はないとして,本願発明は容易想到であるとされた。
H27.05.11 平成26年(行ケ)第10137号 H27.03.10 可逆的熱特性を有する複合繊維事件 拒絶理由通知書,拒絶査定の理由,拒絶審決の理由,パラメータフィン系炭化水素,マイクロカプセル 拒絶審決取消請求 審査段階で拒絶理由とはされたが,拒絶査定の理由とはされなかった新規性,進歩性違反を理由に請求を棄却した審決が,審査段階の拒絶理由通知書に記載された拒絶理由が,黙示に維持されているものと解する余地はない,として取り消された。
H27.05.11 平成26年(行ケ)第10132号 H27.03.26 硬質医療用塩化ビニル系樹脂組成物事件 進歩性,格別の創意工夫,硬質医療用,可塑剤,塩化ビニル系樹脂組成物 特許維持審決取消請求 甲1’発明に係る塩化ビニル系樹脂組成物の可塑剤の配合量等を適宜変更して硬質医療用に用いることは,当業者にとって格別の創意工夫を要すものではないとして,特許維持審決が取り消された。
H27.04.24 平成26年(行ケ)第10096号 H27.03.25 香気成分の制御方法事件 実施可能要件,サポート要件,香気成分,溶存酸素,真空脱気 拒絶審決取消請求 大きな液滴は,高所から落下させて真空脱気する際に「気相接触表面積」が変化するため,液滴の体積/気相接触表面積に基いて液滴の粒径の大きさを制御する本願発明2は,実施可能要件及びサポート要件を満たさないとされた。
H27.04.21 平成26年(行ケ)第10187号 H27.03.11 帯電微粒子水による不活性化方法事件 進歩性,帯電微粒子水,ラジカル,不活性化 特許維持審決取消請求 先行文献のいずれにも,水を静電霧化して得られる帯電微粒子水に,訂正発明1の各種ラジカルが含まれることの記載がなく,本件訂正発明は各先行文献に基いて想到容易ではないとされた。
H27.04.13 平成26年(行ケ)第10167号 H26.12.10 ウイルス殺菌安全施設事件 同一の発明,特許請求の範囲の記載に基づかない,紫色で透明の施設,鳥インフルエンザウイルス 拒絶審決取消請求 太陽光線を活用して波長300~400nmの紫の透過光によって鳥インフルエンザウイルス等を損傷させるのは本願発明のみであるなどとする原告の主張は,請求項の記載に基づかないものとして退けられ,本願発明が引用発明と同一であるとされた。
H27.04.07 平成26年(行ケ)第10027号 H27.02.25 有機エレクトロルミネッセンス素子事件 有機エレクトロルミネッセンス,リパーゼ判決,甲1発明の認定 特許維持審決取消請求 甲1発明の一般式の「Bは,X基が1置換した炭素数2~60の複素環基又は置換もしくは無置換の炭素数5~60のアリール基である。」との発明特定事項は,「Bは,X基が1置換した炭素数2~60の複素環基又はX基が1置換した置換もしくは無置換の炭素数5~60のアリール基である。」と理解するのが自然である,と認定した審決にはこれを取り消すべき違法がある,とされた(X基:アルケニル基もしくはアリールアミノ基。以下,同じ。)。
H27.04.02 平成26年(行ケ)第10104号 H27.01.28 熱移動組成物事件 冷媒,HFO,HFC,潤滑剤,相溶性,化学的安定性,進歩性 訂正棄却審決取消請求 引用例2~4等には,HFOとその構造に共通する点のあるHFC系の冷媒がPOEと良好な相溶性を示すこと,化学的安定性があることが記載されていることからすれば,HFO-1234zeとPOEの組合せがこれらと同程度の相溶性,化学的安定性を示す可能性がそれなりに高いことを,当業者が予測し得るとされた。
H27.04.01 平成25年(行ケ)第10285号 H27.01.22 イバンドロネートの結晶多角事件 先願発明との異同,結晶多形,一水和物,X線粉末回折パターン 拒絶審決取消請求 調整方法や熱重量分析の結果を検討しただけでは「一水和物」であると認めることはできないとされた。
H27.03.13 平成26年(行ケ)第10068号 H27.01.28 発泡剤組成物事件 取消判決の拘束力,進歩性 特許維持審決取消請求 取消判決とほぼ同一の甲1発明を認定し,甲1発明の使用される放散比較調査の目的を新たに認定して本件訂正発明の容易想到性を否定したことは,取消判決の拘束力に抵触する認定判断を行った誤りがある。
H27.03.03 平成26年(行ケ)第10103号 H26.12.24 固体麹の製造方法事件 一致点,相違点,技術常識,動機付け 無効審決取消請求 甲3発明において,原料表面や原料外空中での菌糸の生育が抑制され,原料への菌糸の破精込みを活発にすることの動機付けはなく,甲16にも撹拌中においてなお突き破精を促進するという技術的思想まで開示されているとはいえないから,相違点に係る構成は,当業者が,甲3ないし周知技術から導き出すことはできないというべきである。
H27.02.27 平成26年(行ケ)第10121号 H26.12.24 放射線低減方法事件 明確性要件,実施可能要件,技術常識,磁力還元水,具体的な原理 拒絶審決取消請求 発明特定事項の「放射性物質から放出される放射線量を低減する」は,放射線を消滅させるのか,放射性物質を除くことなのか明確でないし,「磁力還元水」が性物質に対してどのような作用効果を及ぼすのかなどの具体的な原理については,本願明細書は何ら開示していない,として請求が棄却された。
H27.02.23 平成25年(行ケ)第10234号 H27.11.27 基板製品を製造する方法事件 阻害要因,カーボンナノチューブ,不織布状態,固着性,必須の課題 拒絶審決取消請求 カーボンナノチューブの基板への固着性の確保を必須の課題とする刊行物1発明に,固着性について特段の配慮のない刊行物3のパターニング方法であるリソグラフィ技術を適用することには阻害要因があるとして,拒絶審決が取り消された。
H27.02.17 平成26年(行ケ)第10079号 H26.11.26 窒化ガリウム系発光素子事件 容易の容易,動機付け,レーザダイオード,保護膜 無効審決取消請求 引用発明から容易に想到し得たものを基準にして,更に甲2記載の技術を適用することが容易であるということは,いわゆる「容易の容易」の場合に相当するとして,本件特許の進歩性を認めた審決が維持された。
H27.02.04 平成26年(行ケ)第10052号 H26.11.20 柔軟化組成物事件 サポート要件,アミン化合物,香料成分の遅延放出 拒絶審決取消請求 本願明細書には,請求項1に列挙されたアミン化合物を用いて生成されたイミン化合物につき,これらの組成物等の香料成分の遅延放出の程度や香りの残留性の程度等の本願発明の課題を解決したことを示す具体的な記載がなく,サポート要件を満たさないとされた。
H27.01.28 平成26年(行ケ)第10020号 H26.12.18 太陽電池のバックシート事件 引用発明の認定,フッ素樹脂,ルミフロン,硬化塗膜,ユーザー用技術説明資料 特許維持審決取消請求 甲1に商品名で示された塗料による塗膜は,ユーザー用技術説明資料,陳述書などを参酌すると,本件発明1の「塗膜が硬化性官能基含有含フッ素ポリマー塗料の硬化塗膜」と同一であるとして,両者を相違点と認定した審決が取り消された。
H27.01.19 平成25年(行ケ)第10271号 H26.11.10 アルコール飲料の風味向上剤事件 実施可能要件,サポート要件,用語の意味の明瞭性,アルコールの軽やか風味 無効審決取消請求 本件発明の目的に関する「アルコールの軽やか風味」と,実施例で確認された「好ましい味」との関係は不明であるから,「アルコールの軽やか風味」という用語の意味が不明瞭であり,本件特許は実施可能性を欠くと判断された。
H27.01.14 平成26年(行ケ)第10061号 H26.11.05 熱間圧延用複合ロールの製造方法事件 進歩性,連続鋳掛け法,合金組織の改良,Ti酸化物 無効審決取消請求 Ti酸化物によるVC炭化物の微細化は,接種による合金組織の改良という広い意味では,多くの合金組織の改良において共通するが,接種の効果を発揮させ得る接種剤の添加時期や方法は,接種剤の種類や量などによって異なるなどとして,本件発明1の進歩性を認めた審決が維持された。
H27.01.08 平成25年(行ケ)第10300号 H26.11.04 炭化珪素半導体装置の製造方法事件 リパーゼ判決,炭化珪素半導体装置,犠牲酸化,二酸化珪素膜の除去 無効審決取消請求 請求項1には,「二酸化珪素を除去する工程」における除去の対象につき,二酸化珪素層の全部であるのか,又は,全部及び一部の両方を含むのかにつき,これを明示する記載はなく,同請求項の記載から一義的に明確に理解できるとまではいえず,本件においては,本件明細書の記載を参酌することが許されるべきである。
H27.01.06 平成25年(行ケ)第10340号 H26.10.30 含弗素乃至含弗素・酸素系被膜層を形成させたステンレス事件 進歩性,記載要件,6Åエッチング後の表面,X線光電子分析ESCA法 維持審決取消請求 表層部から「6Å」だけエッチングすることが不可能であることを前提とした本件特許発明1の進歩性判断は,その前提に誤りがある,甲1発明では「表層部」からよりも「6Åエッチング後の表面」からESCA法で測定した弗素濃度の方が高いことを証する事実はない,などとして,本件発明1の進歩性が認められた。
H26.12.22 平成26年(ネ)第10051号 H26.10.23 痴呆予防及び治療用の組成物事件 選択発明,包袋禁反言,栄養補助食品,食品組成物,医薬組成物 特許権侵害差止請求控訴 「痴呆予防及び治療用の組成物」の発明の出願審査の過程において,食品の形態にした食品組成物のクレームを削除することは,食品組成物に係る発明について特許を取得することを断念する趣旨であったと解するのが相当であり,これを踏まえて特許査定がされたと認められる
H26.12.17 平成25年(行ケ)第10323号 H26.10.09 電子製造プロセス内で使用するための塗布器液体事件 進歩性,実質的な相違点,未精製のカーボンナノチューブ分散液,分離状態 拒絶審決取消請求 引用例1の未精製のカーボンナノチューブ分散液中において,1000分以上液中に凝集体が浮遊せず,また,引用例2の酸化黒鉛の薄膜状粒子が10日以上かけて沈降したとしても,引用例1の精製したカーボンナノチューブ分散液が,「少なくとも1週間は分離状態を維持でき」るかどうかは明らかではないとして,拒絶審決が取り消された。
H26.12.12 平成24年(ワ)第15612号 H24.10.09 疲労特性に優れたCu-N1-S1系合金部材事件 実施可能要件,無効審判 特許権侵害差止等請求 「86個/m㎡以下」と粗大な介在物の存在数の上限値のみを規定した本件発明について,明細書では「粗大な介在物の個数が最小で25個/m㎡である発明例を記載するのみで0個/m㎡の発明例を記載せず,かつ,全ての粗大な介在物の個数を低減する方法について記載されていない」ことからすれば,本件明細書の発明の詳細な説明は実施可能要件を欠くものである,とされた。
H26.12.08 平成25年(行ケ)第10303号 H26.10.23 白色ポリエステルフィルム事件 刊行物に記載された発明,当業者に自明な技術事項,当然の前提 無効審決取消請求 甲1公報のポリエステル組成物Aは,ポリエステルフィルムの原料としての中間段階の組成物にすぎず,これからフィルムを成形するものでないとして,本件発明1が甲1公報に記載された発明と同一であるとした審決の判断が誤りであるとされた。
H26.12.01 平成24年(行ウ)第591号 H26.03.07 1-[(6,7-置換-アルコキシキノキサリニル)アミノカルボニル]-4-(ヘテロ)アリールピペラジン誘導体事件 審査官との合意,特許査定の取消,補正書の補正 行政処分取消義務付け等請求 審査官と合意した範囲よりも著しく狭い範囲に減縮補正した出願に対してなされた「特許査定」について,出願人からの行政不服審査法に基く異議申立てが特許庁長官により却下され,この却下決定の取り消し等を求める行政事件訴訟法に基く訴えが認められて「特許査定」が取り消された。
H26.11.25 平成25年(行ケ)第10240号 H26.08.07 半導体装置の製造方法事件 容易想到 慣用手段 無効審決取消請求 リードレス表面実装型半導体装置に関する引用例1に,リードフレームを用いた樹脂封止型の半導体装置に関する甲4文献を適用することは容易想到ではないが,本件特許発明1は引用例2と周知技術に基いて容易想到であるとして,拒絶審決が維持された。
H26.11.18 平成25年(行ケ)第10275号 H26.09.11 加硫ゴム組成物事件 技術思想の作用機序 動機付け 効果の顕著性 拒絶審決取消請求 甲3発明Aの認定の基礎とされた実施例8は,疎水性媒体一般に対する技術思想を具体化したものであると認められ,疎水性媒体である周知のゴム成分を用いた本件発明1は甲3発明Aから容易に想到できたとして,審決が取り消された。
H26.11.12 平成25年(行ケ)第10291号 H26.07.16 固体農薬組成物事件 課題解決のための具体化手段における微差 実質同一 実質的機能 拒絶審決取消請求 拡大先願発明において,混合するナタネ油の量それ自体が非常に少なく,軽石に既に浸み込んだ後のナタネ油が,農薬活性成分を溶解させる機能を果たすだけの湿潤性をなお保持しているか疑問が残るとして,審決の判断が取り消された。
H26.11.06 平成26年(ネ)第10018号 H26.09.25 誘電体磁器事件 刊行物記載発明,再現実験,組成物発明,結晶構造等の属性,無効審判 損害賠償請求控訴事件 組成物発明の分野において,発明特定事項の一部である「結晶構造等の属性」が公知刊行物に記載されていない場合でも,当業者が当該刊行物記載の実施例の再現実験により確認し得る場合は,その属性も含めて,「刊行物に記載された発明」と評価し得る。
H26.11.04 平成25年(行ケ)第10277号 H26.08.27 ロウ付け用のアルミニウム合金製の帯材事件 引用発明の認定 相互の互換性 試行錯誤なしに当然に導き出せる結論 特許維持審決取消請求 真空雰囲気下でのろう付けで,イットリウムの含有によりろう付けの際のエロージョンを抑制できたとしても,管理された窒素雰囲気下でのろう付け法において,改善されたろう付け性が得られるかどうかは,試行錯誤なしに当然に導き出せる結論ではない,として,審決が取り消された。
H26.10.29 平成25年(行ケ)第10208号 H26.07.30 炭酸ジメチルを用いたインドール化合物のメチル化事件 化学構造の共通性 容易想到性 動機付け 格別顕著な効果 拒絶審決取消請求 刊行物2ないし4のN-メチル化される化合物には「Ph-NH-」という化学構造の共通性があると認定した本件審決の理由は誤りであるが,当該審決の誤りは容易想到性の判断を左右しない,として,審決が維持された。
H26.10.14 平成25年 (行ケ) 第10236号 H26.09.24 窒化物半導体発光素子事件 実施可能要件 特徴的構成 発明の認定 無効審決取消請求 発明の一部の構成を除外して発明を認定した審決の認定は,当該構成を「特徴的構成」から除外した点においても誤りであるとして,審決が取り消された。
H26.10.14 平成25年 (行ケ) 第10245号 H26.07.17 脱硫ゴムおよび方法事件 「脱硫」の語義 発明の認定 拒絶審決取消請求 本願明細書では,「脱硫」と「再生」とを同義で用いているものと認められるから,審決の認定には,甲2発明として化学的処理である「脱硫」方法のみを認定し,「再生」方法全体を認定しなかった点で誤りがある,とされた。
H26.09.29 平成25年(行ケ)第10239号 H26.07.09 スピネル型マンガン酸リチウムの製造方法事件 周知の課題,周知技術,当業者が予測し得る効果 特許維持審決取消請求 スピネル型マンガン酸リチウムの結晶構造中にナトリウムを取り込むことで,マンガンの溶出を抑制し,高温保存性やサイクル特性を向上させることは,甲1発明等を含む周知技術から容易想到であるとして,特許維持審決が取り消された。
H26.09.16 平成25年(行ケ)第10268号 H26.05.07 放射能除染装置事件 発明,技術的思想の創作 拒絶審決取消請求 特許法29条1項3号及び同条2項の「発明」は,従来技術よりも優れた効果を奏するものである必要はなく,水素水による除染に関する引用発明2は,水道水よりも効果が劣るとしても「発明」に該当し,審決の判断に誤りはないとされた。
H26.09.09 平成25年(行ケ)第10235号 H26.04.23 気体燃料用インジェクタ事件 周知課題の内在,独立特許要件 拒絶審決取消請求 引用発明1の主たる効果は,「シート効果の向上」であるが,補正発明の発明特定事項とされた「弁座への貼り付きの防止」という課題も内在するとされた。
H26.08.25 平成25年 (行ケ) 第10217号 H26.06.26 フッ素置換オレフィンを含有する組成物事件 予想を超える優れた効果 組合せの検討 無効審決取消請求 冷媒化合物及び潤滑剤からなる組成物の混和性及び安定性を確認し,特定の潤滑剤を選択することには,何ら困難性はなく,当業者の予想を超える顕著で有利な技術的効果を奏するものでもないとして審決の判断が維持された。
H26.08.18 平成25年(行ケ)第10292号 H26.04.02 発光装置事件 表現形式の変更,限定的減縮 拒絶審決取消請求 「発光装置」を「一の方向に隣接して配置された複数の発光装置を有する光源」とする補正は,限定的減縮にあたらず,本件補正を却下した審決に誤りはないとされた。
H26.08.11 平成25年(行ケ)第10248号 H26.05.26 排気ガス浄化システム事件 必須の構成,技術的思想の開示 拒絶審決取消請求 作用効果を奏するための必須の構成である「Ce-Zr-Pr複酸化物」を欠落して認定された引用発明は,引用例1に記載された先行発明であると認定することはできない,とされた。
H26.07.28 平成25年(行ケ)第10071号 H26.03.26 半導体発光素子事件 引用発明の認定,動機付け 特許維持審決取消請求 本件発明1は,「半導体発光ダイオード」であり,甲1発明は,「半導体レーザ素子」である点を相違点とした審決の認定は誤りである,としたが,凸部の側面のテーパ角に係る相違点については,当業者が容易に想到できたものではないとして,審決の判断が維持された。
H26.07.18 平成25年(行ケ)第10228号 H26.05.29 光触媒体の製造法事件 共同出願違反,発明の特徴的部分 無効審決取消請求  本件訂正発明がなされる過程でCが行った技術指導に係る技術は,本件訂正発明の特徴的部分ではないから,技術指導関連発明の取扱いに関する確認書の規定にかかわらず,Cは本件訂正発明の特許を受ける権利の原始的取得者にはなり得ないとされた。
H26.07.07 平成25年(行ケ)第10259号 H26.04.24 帯電微粒子水によるエチレンガスの除去方法事件 動機付け,阻害要因 特許維持審決取消請求 副引用例の活性種と本件特許発明1の帯電微粒子との間には実質的な相違がなく,空気清浄機に係る技術を食品収納庫等に転用することが出願時の常套技術であることが認められるとして,審決の「動機付け」に関する認定が覆された。
H26.06.23 平成25年 (行ケ) 第10088号 H26.04.24 窒化インジウムガリウム半導体の成長方法事件 InGaN 結晶性 技術思想 特許維持審決取消請求 有機金属気相成長法において,形成される複数の層に応じてそれぞれキャリアガスを切り替えることと,同じキャリアガスを用いることとは技術思想が異なると認定され,本件発明の容易想到性を否定した審決の判断が維持された。
H26.06.09 平成25年(行ケ)第10191号 H26.04.16 重合被覆金属管事件 相違点の認定,阻害要因 特許維持審決取消請求 引用発明は,金属管の外周面に表面処理層を有しないことで密着性を向上させるのであるから,金属管の外周面に表面処理層を有する本願発明の構成とすることには,阻害要因があり,審決の判断に誤りはないとされた。
H26.05.27 平成25年(行ケ)第10118号 H26.03.10 蛍光体事件 明確性要件,実施可能要件 拒絶審決取消請求 蛍光体の組成比を示す各変数がどのように連関するか特定されていないが,マクロ的には,基本的な結晶構造を維持しているとして,明確性要件に適合するとされた。
H26.05.19 平成25年(行ケ)第10068号 H25.01.19 窒化物半導体素子事件 動機付け,技術的意義 特許維持審決取消請求 特定の領域での結晶欠陥数を規定した窒化物半導体素子の発明に対し,引用発明の製法において,欠陥密度の低い領域のみを形成すべき動機付けがあるとはいえないとして,容易想到性が否定された。
H26.05.08 平成24年(行ケ)第10123号 H25.02.27 発光ダイオード事件 分割要件,一般式,技術的意義 無効審決取消請求 明細書中に特定の一般式で表わされる発光素子を有する発光ダイオードだけが記載されている出願からの当該一般式を外した分割出願が認められた。
H26.05.02 平成25年(行ケ)第10039号 H26.01.29 合わせガラス用中間膜事件 引用発明の認定 拒絶審決取消請求  引用発明の中間膜に含まれる機能性超微粒子について,明細書に例示された広範なものとして一致点とした審決の認定は適切ではないが,実施例の記載に基けば,一致点の認定は結論において誤りはないとされた。
H26.04.21 平成25年(行ケ)第10048号 H26.02.26 炭酸飲料の小出し装置事件 審理手続の瑕疵,反論の機会,独立特許要件 拒絶審決取消請求 旧請求項1を削除して,旧請求項19を新請求項1にした補正は,減縮補正ではなく,請求項の削除に該当するから,独立特許要件違反として当該補正を却下した審決の手続は違法であるとされた。
H26.04.15 平成25年(行ケ)第10102号 H26.02.27 膜分離用スライム防止剤事件 当然に奏する効果,用途発明,進歩性 拒絶審決取消請求  本願発明の効果は,引用発明1に記載のスライム防止剤を引用例2の教示に基いて膜分離用に用いることで,当然に奏する効果であるとされた。
H26.04.08 平成24年(行ケ)第10314号 H25.10.31 有機発光デバイス事件 一致点の誤認,相違点の看過,技術事項の開示 無効審決取消請求 「刊行物」に「物の発明」が記載されているというためには,特許出願時の技術常識に基づいてその技術的思想を実施し得る程度に,当該発明の技術事項が開示されていることを要する。
H26.03.31 平成25年(行ケ)第10163号 H26.01.30 帯電微粒子水による不活性化方法事件 ラジカル,生成方法の違い,想到容易性 無効審決取消請求 帯電微粒子水にラジカルが含まれることが新規な知見であり,これを花粉抗原等の不活性化に利用した本件発明は,甲1発明から想到容易ではないとされた。
H26.03.25 平成25年(行ケ)第10076号 H25.12.25 洗剤製品事件 非ニュートン液体,測定条件,剪断粘度,明らかな誤記 拒絶審決取消請求 「周囲条件で20s-1のせん断速度で測定する場合,0.5Pa・s~3Pa・sである」との認定を前提に,「0.5Pa・s-1の剪断速度及び20℃で測定される場合には少なくとも3Pa・sの剪断粘度を有する」と理解することができる技術的な根拠は見当たらないとされた。
H26.03.17 平成24年(行ケ)第10433号 H25.09.19 太陽電池用平角導体事件 実質的同一,除くクレーム,解決課題 拒絶審決取消請求 耐力に係る数値範囲について,本願発明は,セルの反りを減少させることに,他方,先願基礎発明は,半導体基板に発生するクラックを防止することにそれぞれ着目して決定しているのであって,両発明の課題が同一であるということはできない,として,両者は実質的に同一の発明ではないと判断された
H26.03.10 平成24年(行ケ)第10270号 H25.04.24 気相成長結晶薄膜製造方法事件 加熱の目的,機能の相違,容易想到 拒絶審決取消訴訟 本願発明における「高温炉」と引用文献2に記載の発明における「マッフル炉」の加熱の目的,機能の違いにより引用発明に対する進歩性が認められた。
H26.03.04 平成24年(行ケ)第10451号 H25.09.26 合わせガラス用中間膜事件 明確性要件,サポート要件,実施例 特許維持審決取消請求 請求項1における「Naを5~50ppm及び/又はKを5~100ppm含有する」の文言が,「Naを5~50ppm及びKを5~100ppm含有する」,「Naを5~50ppm含有し,Kを含まない」,「Kを5~100ppm含有し,Naを含まない」の三つの場合を意味するものとされた。
H26.02.24 平成24年(行ケ)第10233号 H25.01.30 抗菌性ガラス事件 引用発明の認定,実施例 拒絶審決取消請求 引用例1発明の「溶解性ガラス」について,請求項1及び実施例に,燐酸塩系ガラスのみが記載され,他の溶解性ガラスの記載がない以上,硼珪酸塩系ガラスが示されていると認定することはできない,と判断された。
H26.02.17 平成24年(行ケ)第10243号 H25.05.23 配線構造事件 数値限定,臨界的意義,明確性要件,リパーゼ判決 拒絶審決取消請求 請求項の「……炭化シリコン(SiaCbOc)……,前記cは0を含まない0~0.8である」の数値限定の意義につき,酸素をその効果が発揮できる程度に意図的に含有させたことを意味する,とする主張が退けられた。
H26.02.04 平成24年(行ケ)第10239号 H25.03.21 溶融ガラスの清澄方法事件 進歩性,実施例,発明の開示,動機付け 拒絶審決取消請求 本願発明における溶融ガラス温度が記載されている,物理的清澄方法に関する引用例1と,化学的清澄方法に関する本願発明の解決課題が相違するために,引用発明に公知の化学的清澄方法を組合せる動機付けがないとして,容易想到性が否定された。
H26.01.28 平成24年(行ケ)第10151号 H25.02.20 高強度高延性容器用鋼板事件 サポート要件,明確性要件,新規性 維持審決取消請求 炭素の含有量と引っ張り試験における物性値で特定された高強度高延性容器用鋼板の発明についてサポート要件を認めた特許維持審決が取消された。
H26.01.28 平成24年(行ケ)第10245号 H25.03.25 1,1-ビス-(4-ヒドロキシフェニル)-3,3,5-トリメチルシクロヘキサンの製造方法事件 進歩性 拒絶審決取消請求 未反応材料を循環して再利用する方法が周知である,複数工程の目的化合物の製造方法において,未反応材料を,特定の工程から前工程に循環させる方法の発明の進歩性が認められた。
H26.01.21 平成24年(行ケ)第10373号 H25.09.30 半導体装置および液晶モジュール事件 解決課題,技術的意義,予測できない効果,容易想到性 無効審決取消請求 引用発明と解決課題に相違があり,この課題に対する効果が原出願日当時公知でなかったことで,進歩性が認められた。
H26.01.15 平成24年(行ケ)第10387号 H25.09.19 安定化された臭化アルカン溶媒組成物事件 明確性要件,サポート要件,拡大先願発明 無効審決取消請求 本件発明に係る組成物の使用条件が定まるまでは,この物が「安定化された溶媒組成物」に該当するのか否かを特定できず,本件発明は明確性の要件を欠くと判断された。
H26.01.10 平成24年(行ケ)第10052号 H25.01.31 光沢黒色系の包装用容器事件 サポート要件,実施可能要件 無効審決取消請求 特許請求の範囲に材料シートの物性値を規定し,実施例では材料シートの物性値を記載せずにその製品であるシート切出し片の物性値を記載したことから,サポート要件違反及び実施可能要件違反と判断された。
H26.01.09 平成24年(行ケ)第10335号 H25.06.06 斑点防止方法事件 課題の新規性,新規な知見,進歩性 拒絶審決取消請求 炭酸カルシウムを主体とする斑点についての新規な知見に基づく特有の効果を明確にすることで進歩性が認められた。
H26.01.06 平成24年(行ケ)第10221号 H25.02.27 洗浄剤組成物事件 進歩性,不純物,主成分,相乗効果 維持審決取消請求 組成は同一であるが、含有成分の一つAを不純物と認識している先願発明に対して、成分Aを主成分とする後願発明が、成分Aが単なる不純物ではないとの知見が、直ちに進歩性を基礎づける根拠とはならない、とされた。
H25.12.26 平成24年(行ケ)第10016号 H24.10.11 ポリウレタン硬質フォームを製造する方法事件 サポート要件 拒絶審決取消請求 ひとまとまりの複数の発泡剤中で有利なものとして記載されてはいるが実施例では用いられていない成分を請求項に記載した出願についてサポート要件が認められた。
H25.12.24 平成23年 (行ケ) 第10263号 H24.09.27 銅および銅合金の表面処理剤事件 訂正請求,サポート要件,実施可能要件 特許維持審決取消請求 請求項に包括的名称で記載された化合物についての明細書に例示された化合物の一部を削除する訂正により,当該包括名称で記載された化合物の範囲が当然に減縮されるものではないが,「明りょうでない記載の釈明」に,一応該当するとされた。
H25.12.19 平成24年 (行ケ) 第10200号 H25.02.27 ディスプレイフィルタ用外光遮蔽層事件 サポート要件 実施可能要件 明確性要件 審決取消請求 請求項の「黒色の金属」は、外部環境光の吸収が可能な程度の黒色である、と理解することができる、とされた。
© 2017 SAKURA PATENT OFFICE. All Rights Reserved. 特許業務法人 サクラ国際特許事務所
〒101-0047 東京都千代田区内神田1丁目18-14 ヨシザワビル6階
Tel. 03-5577-3066(代)/Fax. 03-5577-3067
国内および外国特許・意匠・商標の出願代理、鑑定、相談、訴訟|特許業務法人 サクラ国際特許事務所