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平成26年(行ケ)第10254号
青果物用包装袋事件


弁理士  玉腰 紀子
弁理士  須山 佐一

○判決のポイント

各引用文献には,包装袋に設けるスリットの合計長を包装する青果物量に応じて好適化するという技術的思想について記載も示唆もないから,本願発明1を想到する動機付けがないとされた。

 事件番号等:平成26年(行ケ)第10254号
 事件の種類(判決):維持審決取消請求(請求棄却)
 原告/被告:株式会社ベルグリーンワイズ/住友ベークライト株式会社
 キーワード:進歩性,動機付け
 関連条文:特許法29条2項

○知財高裁の判断

*進歩性あり
 本件発明1において,①青果物100g当たりの切れ込みの長さの合計が,0.08mm以上17mm以下であり,②切れ込み1個当たりの長さL(mm)/フィルムの厚みT(mm)の比(L/T)が16以上250以下であり,③Tが0.01mm以上0.1mm以下である,とのパラメータは,3つのパラメータの組合せにより,本件発明1の包装袋に設けられる切れ込みの形状を特定し,課題の解決手段として機能し,本件発明1の作用効果を奏するものであると認められる。
 引用例1,2,甲3及び甲4には,いずれも,包装袋に設けるスリットの合計長を,包装する青果物量に応じて好適化するという技術的思想について,記載も示唆もない。したがって,引用発明1において,引用例2,甲3及び4に記載された発明を組み合わせる動機付けがあるとはいえない。
 引用発明2は引用例2の実施例4に基づく発明であるところ,実施例4では,包装袋に長さ2mmの切れ目を0.02個/cm2の割合で設けることで,他の構成とあいまって,良好な結果が既に得られているのであるから,青果物の鮮度保持のみを考慮して,あえて実施例4に記載されている包装袋のスリットの個数や長さ等を変更する動機付けがあるともいえない。

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