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判例情報


平成27年(行ケ)第10127号
レーザー加工装置事件


弁理士  玉腰 紀子
弁理士  須山 佐一

○判決のポイント

 引用例及び周知例には,少ない流量の気体でレーザビーム反射部材が弾性変形をするのに要する気体圧力をかけるために「流体排出経路」を,「流体供給経路」よりも狭くすることの動機づけがないとされた。

 事件番号等:平成27年(行ケ)第10127号(知財高裁 H28.03.23)
 事件の種類(判決):無効審消取消請求(審決取消)
 原告/被告:三菱電機株式会社/株式会社アマダホールディングス
 キーワード:進歩性,動機付け,相違点の認定
 関連条文:特許法29条2項

○知財高裁の判断

 本件発明と引用発明との間には,本件審決が認定したとおり,本件発明の「流体排出経路」は,「流体供給経路」よりも狭くしたものであるのに対し,引用発明の「流体排出経路」と「流体供給経路」がそのようなものであるか明らかではないという相違点(前記第2の3⑵ウ(エ))が存在する。
 本件発明において,流体排出経路を流体供給経路よりも狭くしたのは,少ない流量の気体でレーザビーム反射面の反対側に,レーザビーム反射部材が弾性変形をするのに要する気体圧力をかけるためのものと認められるところ,引用例中には,少ない流量の流体でレーザビーム反射面である鏡面12の反対側に,レーザビーム反射部材に相当する金属円板が弾性変形するに要する圧力をかけることに関する記載も示唆もない。周知例中,流体排出経路を流体供給経路よりも狭くすることを開示又は示唆するものはない。
 以上に鑑みると,本件特許出願時において,引用例に接した当業者が,流体排出経路を流体供給経路よりも狭いものにしようとする動機付けがあるということはできず,引用発明から,相違点4に係る本件発明を容易に想到することはできない。

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