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平成27年(ネ)第10125号
非磁性材粒子分散型強磁性材スパッタリングターゲット事件


弁理士  玉腰 紀子
弁理士  須山 佐一

○判決のポイント

 本件発明における「全粒子」に該当しない不可避的な粗大粒子は本件発明では許容されないから,粗大粒子を含む各控訴人製品は,本件発明の技術的範囲に属さない,とされた。

 事件番号等:平成27年(ネ)第10125号(知財高裁 H28.04.13)
 事件の種類(判決):特許権侵害差止請求控訴(請求棄却)
 原告/被告:JX金属株式会社/田中貴金属工業株式会社
 キーワード:禁反言,不可避不純物,構成要件充足性
 関連条文:特許法70条

○知財高裁の判断

 早期審査に関する事情説明書(乙8)及び拒絶理由通知に対する意見書(乙6)において,控訴人は,本件発明では,半径2μmの全ての仮想円よりも大きく,しかも,2点以上の接点又は交点を有しない形状及び寸法の粒子があると本件発明の効果が得られないとして,「全粒子」が重要な発明特定事項である,などと説明している。本件明細書上も,・・・どの程度の大きさの粗大粒子がどの程度の割合であれば,発明の効果を実現できるかということについて,何らかの技術的知見を理解することはできない。
 構成要件1-Bの「全粒子」に該当しない不可避的な粗大粒子の具体的内容については不明といわざるを得ず,材料や製法如何にかかわらず,「半径2μmの仮想円を内包する大きさ」の粒子は,本件発明で許容されないというほかない。
 被控訴人製品1にある粗大粒子の数値を評価する技術常識に関する証拠はなく,この程度の数であれば,発明の効果との関係で無視できるとはいえないから(むしろ,一般的な大きさのターゲット1枚当たりの粗大粒子の数としては多いと推測される。),上記程度の数がある粗大粒子を,不可避的不純物ということはできない。
(各被控訴人製品は,本件発明1ないし3及び6の各技術的範囲に属さない。)

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