知的財産情報

ホーム > 知的財産情報 > 判例紹介 > 二重瞼形成用テープ事件

判例情報


平成27年(行ケ)第10242号
二重瞼形成用テープ事件


弁理士  玉腰 紀子
弁理士  須山 佐一

○判決のポイント

 形式的に見ると経時的であることから物の製造方法の記載があるといい得るとしても,当該製造方法による物の構造又は特性等が明細書の記載及び技術常識を加えて判断すれば一義的に明らかである場合は,法36条6項2号との関係で問題とすべきプロダクト・バイ・プロセス・クレームと見る必要はない。

 事件番号等:平成27年(行ケ)第10242号(知財高裁 H28.09.20)
 事件の種類(判決):維持審決取消請求(請求棄却)
 原告/被告:株式会社イトウ,株式会社ヒロ・コーポレーション/Y
 キーワード:リパーゼ判決,経時的記載,プロダクト・バイ・プロセスクレーム,明確性
 関連条文:特許法29条2項、36条6項1号,2号

○知財高裁の判断

*明確性について
 プロダクト・バイ・プロセス・クレームが発明の明確性との関係で問題とされるのは,物の発明についての特許に係る特許請求の範囲にその物の製造方法が記載されているあらゆる場合に,その特許権の効力が当該製造方法により製造された物と構造,特性等が同一である物に及ぶものとして特許発明の技術的範囲を確定するとするならば,その製造方法が当該物のどのような構造又は特性を表しているのかが不明であることなどから,第三者の利益が不当に害されることが生じかねないことによるところ,特許請求の範囲の記載を形式的に見ると経時的であることから物の製造方法の記載があるといい得るとしても,当該製造方法による物の構造又は特性等が明細書の記載及び技術常識を加えて判断すれば一義的に明らかである場合には,上記問題は生じないといってよい。そうすると,このような場合は,法36条6項2号との関係で問題とすべきプロダクト・バイ・プロセス・クレームと見る必要はないと思われる。
 本件発明1の「…細いテープ状部材に,粘着剤を塗着する」との記載は,細いテープ状部材に形成した後に粘着剤を塗着するという経時的要素を表現したものではなく,単にテープ状部材に粘着剤が塗着された状態を示すことにより構造又は特性を特定しているにすぎないものと理解するのが相当であり,物の製造方法の記載には当たらないというべきである。

© 2017 SAKURA PATENT OFFICE. All Rights Reserved. 特許業務法人 サクラ国際特許事務所
〒101-0047 東京都千代田区内神田1丁目18-14 ヨシザワビル6階
Tel. 03-5577-3066(代)/Fax. 03-5577-3067
国内および外国特許・意匠・商標の出願代理、鑑定、相談、訴訟|特許業務法人 サクラ国際特許事務所