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平成27年(行ケ)第10253号
水障壁封止方法事件


弁理士  玉腰 紀子
弁理士  須山 佐一

○判決のポイント

 請求項の記載を基礎として認定した引用発明及び本願発明に基づいて,審決がした相違点に関する判断に誤りはない,とされた。

 事件番号等:平成27年(行ケ)第10253号(知財高裁 H28.09.28)
 事件の種類(判決):拒絶審消取消請求(請求棄却)
 原告/被告:アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド/特許庁長官
 キーワード:進歩性,請求項の記載,発明の認定
 関連条文:特許法29条2項

○知財高裁の判断

 原告は,審決が,引用発明の有機膜基板12は炭素を含む層であるにもかかわらず,これを除いた有機コーティング16のみを,本願発明の「炭素を含む層」に相当するとして,本願発明と引用発明とを対比判断したことは,誤っている,と主張する。
 本願発明の有機発光ダイオードは,請求項1の文言上,「基板」,「基板の上に配置される有機発光ダイオード部分」及び「有機発光ダイオード部分上に配置される多層水障壁封止構造体」を「含む」ものである。本願発明は,「基板」「有機発光ダイオード」及び「多層水障壁封止構造」以外の他の構成が存在することを排除していないし,当該他の構成は「有機」であって,水障壁機能を有していてもよい。そうすると,本願発明は,「多層水障壁封止構造」の「基板」側とは反対側に「有機」であって水障壁機能を有する構造があることをも許容すると解するのが相当である。
 したがって,審決が,引用発明の「有機膜基板12」を,本願発明の「多層水障壁封止構造」に含めず,本願発明と引用発明とを対比したことに,誤りはない。
 本願発明は,「多層水障壁封止構造体」に含まれない「有機」の水障壁機能を有する構造が,「多層水障壁封止構造」の「基板」の側とは反対側に存在することも許容するから,引用発明の有機膜基板12を含む実施態様も,本願発明に含まれている。

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