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平成28(ネ)10056号
強磁性材スパッタリングターゲット事件


弁理士  玉腰 紀子
弁理士  須山 佐一

○判決のポイント

 明細書には相(B)の「直径」の定義がなく,いかなる場合に「直径」が「30~150μm」であるのかは,不明といわざるを得ないから,被控訴人製品は上記構成要件を充足しないとされた。

 事件番号等:平成28(ネ)10056号(知財高裁 H28.10.05)
 事件の種類(判決):特許権侵害差止請求控訴(控訴棄却)
 控訴人/被控訴人:JX金属株式会社/田中貴金属工業株式会社
 キーワード:直径の定義
 関連条文:特許法70条

○知財高裁の判断

 控訴人は,一断面の形状から近似的に球体の直径を導出できないとしても,被控訴人製品の断面における直径が30μmを超える「球形の相(b)」の立体形状の直径は,「30~150μmの範囲にある」と推認することは可能であるなどと主張する。しかし,そもそも,本件明細書をみても「直径」の定義はなく,本件特許発明における相(B)が真円でない場合に「直径」をどのように定義するかは定かでなく,当業者において,これを一義的に理解することができない。
 そして,断面形状において測定する場合であっても(本件明細書【0026】),断面形状における直径と立体形状における直径との関係等が明らかでないため,いかなる測定値を「直径」とするかは一義的に明らかであるとはいい難い。したがって,構成要件B-(1)について,いかなる場合に「直径」が「30~150μm」であるのかは,不明といわざるを得ない。
 以上より,被控訴人製品1の球形の相(b)の直径が「30~150μmの範囲にある」とは認め難く,控訴人の上記主張は理由がない。

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