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平成28年(行ケ)第10173号
静電容量式タッチパネル付き表示装置事件


弁理士  玉腰 紀子
弁理士  須山 佐一

○判決のポイント

 単一層の導電性電極によりタッチを検出する表面型静電容量式タッチパネルの発明である甲1発明の導電性電極の反対側に導電層を設ける動機付けはないから,「導電層」としての2層の検出電極を有する投影型静電容量式タッチパネルの発明である本件訂正発明5は,甲1発明に基づいて当業者が容易に想到できたものではない,とされた。

 事件番号等:平成28年(行ケ)第10173号(知財高裁 H29.08.01)
 事件の種類(判決):維持審決取消請求(請求棄却)
 原告/被告:X/王子ホールディングス株式会社
 キーワード:動機付け,発明の認定,導電層,タッチパネル
 関連条文:特許法29条2項

○知財高裁の判断

 静電容量式タッチパネルにおいて,導電性を有する層としては,検出電極のほか,シールド層も考えられるが,本件訂正発明5の「導電層」にシールド層を含むかどうかは,特許請求の範囲の記載のみでは,一義的に明確に理解することができるとはいい難い。そこで,本件訂正発明5における「導電層」の意義について,本件明細書の記載を参酌すると,第二の実施形態の導電層2及び導電層6の2層の検出電極が存在することは,これらが投影型静電容量式タッチパネルの2層の検出電極を構成していると解釈できる。
 甲1発明は,単一層の導電性電極によりタッチを検出する表面型静電容量式タッチパネルであり,単一基板11の表示パネル2側に設けられた導電性電極131の1層のみでタッチ位置の検出機能を果たすものであるから,甲1発明にこれ以上の検出電極を設ける動機付けは存在しない。 したがって,甲1発明に,相違点3に係る本件訂正発明5の構成である「さらに,前記透明基板の前記表示装置側とは反対側に設けられた導電層」を設ける動機付けはないから,甲1発明を主引用発明として本件訂正発明5には想到し得ない。

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